2015年3月29日日曜日

腎臓がんの発生や増殖の仕組み

がんは多数の遺伝子に異常が起きて発生し、進行する。
腎臓がんでは、FLCNというがん抑制遺伝子が2002年に見つかった。
研究グループは2006年と2008年に、FLCNに結合するFNIP1とFNIP2という2つの新規遺伝子を発見した。
しかし、FNIP1やFNIP2の腎臓での役割は不明で、FLCNのがん抑制機能に関わっているかどうかもわかっていなかった。
研究グループはこれまでに、FLCNとFNIP1が筋肉や心臓では協調的に働いていることを確かめていた。
しかし、FNIP1を腎臓から取り除いても、筋肉や心臓と違い、腎臓には何も起きなかった。
その理由が疑問だった。
腎臓では「FNIP1によく似た遺伝子のFNIP2が重要な役割を果たしているのではないか」と考え、FNIP2をマウスから取り除いてみたが、この場合も、腎臓だけでなく、全身の臓器で何も異常なことは見られなかった。
マウスのいろいろな臓器でFNIP1とFNIP2の発現量を比べてみた。
筋肉と心臓ではFNIP1が圧倒的に多い一方、腎臓ではFNIP2の発現量がFNIP1と同じレベルであることがわかった。
この腎臓でのFNIP2の発現が、FNIP1を取り除いたマウスの腎臓に何も起こらなかった原因とみて、マウスの腎臓でFNIP1とFNIP2を同時に取り除いたところ、腎臓細胞が異常増殖を起こし、最終的に重量が10倍以上にもなった。
さらに、FNIP1とFNIP2を同時に取り除いたマウスを長期的に観察していると、生後2年で、FLCNを取り除いたマウスと同じように腎臓がんが形成され、FNIP1とFNIP2がFLCNと協調して腎臓がんの発生を抑制していることを突き止めた。
FLCN、FNIP1、FNIP2という遺伝子が作るタンパク質は互いが結合して複合体を形成する。
研究グループは「この複合体ができなくなった時、腎臓細胞は異常増殖を始め、最終的にがん化する」と結論づけた。
今回の結果を進化生物学の観点から検討した。
ハエなどでもともと1つだったFNIPが、ヒトのような高等動物に進化する過程で、腎臓細胞の異常増殖を確実に予防するために、FNIP1とFNIP2という2つのFNIPに分かれていったというシナリオが浮かび上がった。

スマホゲームの寡占化

ソフトバンク傘下で、スマートフォン向けゲームを手掛けるスーパーセル(フィンランド)が発表した2014年決算は、利払い・税・償却前利益(EBITDA)は5億1500万ユーロ(5億6400万ドル)
売上高は15億4500万ユーロに増えた。
収益性の高い「クラッシュ・オブ・クラン」、「ヘイ・デイ」などのヒット作品が寄与した。

ソフトバンクは2013年、スーパーセルの株式51%を約15億ドルで取得。
売上高前年は5億1900万ユーロ。利払い・税・償却前利益(EBITDA)は2億4300万ユーロ